腹部大動脈瘤における瘤拡大に関連する背景因子についての観察研究

 血管班では「腹部大動脈瘤における瘤拡大に関連する背景因子についての観察研究」を行っています。腹部大動脈瘤の患者数は年々増えています。腹部大動脈瘤はある程度以上に拡大すると破裂の危険が出てくるため、手術またはステントグラフトの治療をお勧めしています。よく患者さんから動脈瘤が大きくならないような薬はないのかと尋ねられますが、現在のところ腹部大動脈瘤が大きくなることを防ぐ薬はできていません。それどころか腹部大動脈瘤がなぜできるのか、なぜ大きくなるのかということも未だに良く分かっていません。一部の研究によると、腹部大動脈瘤の発症や進行には、遺伝、動脈硬化、喫煙、高血圧、糖尿病などが関係すると考えられています。また、一部の薬剤(高脂血症・高血圧の薬の一部)には動脈瘤の進行を遅らせる可能性があるとも考えられています。人種による差も大きいと考えられていますが、日本人での研究は少ないのが現状です。
 そこで、大勢の患者さんが来院する当大学病院の外来で、腹部大動脈瘤で通院をしている患者さんにお願いをして、動脈瘤の変化を観察するとともに、患者さんの生活、合併する病気、飲み薬、採血の結果などを調べることでどのような患者さんが大動脈瘤を持っている割合が高いのか、またどんな大動脈瘤が大きくなりやすいのか、どのように大動脈瘤が大きくなるのかの調査を行っています。この調査によって病気の原因を明らかにしたり手術以外の治療法の開発に役立てたりすることができると考えています。
 このような調査を「臨床研究」と言い、調査に協力していただける患者さんには協力の承諾を頂いています。また、調査に参加したくない患者さんも全く平等に通院、検査、治療を受けられます。

研究の方法


(1)対象となる患者さん

 東北大学病院移植再建内視鏡外科血管外来に通院中もしくは新たに紹介された腹部大動脈瘤の患者さんで、腹部大動脈瘤の大きさが3cm以上5cm未満であり、まだ手術を必要としない成人の方、大きさが5cm以上であるが何かしらの理由で手術を行わずに経過をみている成人の方を対象とします。ただし、その他の合併症や治療経過により、担当医師が不適切と判断した患者さんは除きます。

(2)研究の方法

 この研究の対象となる患者さんの中で、研究へのご協力に同意いただいた方から、以下の「① 検体」をご提供いただき、「② 診療情報」を利用させていただきます。診療内容は通常の大動脈瘤診療と同じであり、この研究にご協力いただけるか否かによって、治療(または検査)方法が変わることは全くありません。変わりがあるのは採血量が若干増える(25 mL)ことのみです。

① 検体

通常の採血に加えて研究用に血液 25 mL
1年に1回、通常の血液検査の際に、同時に採血させていただきます
通常採血と合わせた1回の総量は約40-45 mLで、採血回数は増えません

② 診療情報

年齢、性別、身長、体重などの身体的情報
家族歴
既往歴(今までにかかった病気、現在治療中の病気、また、それらの治療内容)
喫煙・飲酒などの生活歴
血圧、脈拍、心電図、呼吸機能などの生理学的検査
血液検査結果
画像診断検査結果(CT、超音波検査)

(3)研究の内容

ご提供いただく血液を用いて通常の採血項目の他に大動脈瘤の拡大との関連が示唆されている項目を測定し、診療情報と合わせて動脈瘤の拡大との関連を検討します。なお、検体を用いて測定する内容には、個人や家系を特定できるような遺伝子検査は含まれておりません。

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移植・再建・内視鏡外科

血管班

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