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はじめに

ここでは主に当班の歴史をご説明し、また食道の病気についての解説、さらに治療法に関する当班の方針につきご説明しています。

 食道・一般消化器外科グループでは食道癌食道アカラシアなどの食道疾患を中心に、胃や大腸などの一般消化器外科の診断と治療も行っており、その治療成績向上や諸問題解決のために種々の基礎的研究と臨床研究を行っています。はじめに当科と食道疾患の治療への関わりについて触れたいと思います。

 当科では桂重次教授(1941-1963年)時代に食道癌患者さんに対する食道切除を初めて行いましたが、当時の技術と管理では食道に達するだけで生命の危機に晒される大変な時代でした。続く葛西森夫教授(1963‐1986年)時代になって、やっと食道癌治療として手術が一つの形を成してきたという経緯があります。葛西教授は胆道閉鎖症に対し‘葛西手術’の確立という世界的な業績を上げて小児外科領域で有名ですが、食道癌治療においても食道切除後の胃や腸を使った再建方法・周術期管理の栄養管理法などについて多大な貢献をしました。森昌造教授(1986‐1995年)時代には、食道癌手術におけるリンパ節転移を制御するために、適切な範囲でリンパ節を切除(郭清)することに関する臨床研究を行い食道癌治療成績向上に大きく貢献をしました。

 里見進教授(1995‐2012年)時代には赤石隆らを中心として我が国で初めて1995年に食道癌に対して胸腔鏡下食道切除術を行いました。それまで胸を半周ほど開けて行っていた食道切除を、胸に数箇所の穴を開けるだけで行う胸腔鏡下食道切除は患者さんの身体への負担を軽減しました。当科は胸腔鏡下食道切除のパイオニアとしてその手術を発展させるとともに、同手術の東北各地への普及にも努めました。また、従来切除不能例に行われてきた化学放射線療法(Chemo-radio therapy; 以下CRTと略記します) をいち早く臨床に取り入れ、切除可能例にも食道温存治療の可能性を追求した臨床研究を行いました。CRTをファーストラインとし、非奏功例に手術を行う治療戦略では、CRT奏功例は食道が温存され、高いQOLを保てること、全体の生存率は手術単独と同等であることなどを示しました。また、それに付随するサルベージ手術に関する合理的術式、周術期管理の諸問題の解決を進めました。

 大内憲明教授(2012‐現在)時代には手術まえに放射線や化学療法を加えて癌の治療効果を高める工夫や、うつ伏せの体位でより身体への負担が少なく手術を行う腹臥位胸腔鏡下食道切除などを導入しました。2013年にはロボット(ダヴィンチ サージカルシステム)を用いたロボット支援下胸腔鏡下食道切除の臨床試験も始めています。ロボットを用いることにより、今までの内視鏡手術よりさらに精度の高い、より侵襲が少ない安全な手術を患者さんに提供できることが期待されます。

 このように当班では主に食道癌を中心として様々な消化器疾患を専門医が中心となって行っています。食道癌に加えて、食道良性疾患、胃や大腸など他の消化器疾患に関しても内視鏡を用いた治療を行っていること、また外科治療だけでなく化学療法や放射線治療など他科と連携して行っていることが特徴です。既成の概念にとらわれず、身体に負担の少ない方法で、より確実な治療効果を得られるように研究を進めていくのが当班の基本方針です。

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乳腺内分泌外科

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